「ガチャ確率計算機」作者が語る! ~これが、ガチャの落とし穴だ!~

どうも、郁永です。

「ガチャ確率計算機」HTML版を公開して1年が過ぎました。

ガチャを回して目当てのものが入手できる確率や、入手するために必要なコスト(金額や回数)を計算できます。

この1年で、延べ50万回超の計算が行われました。本当にありがとうございます!

さて、今回はソシャゲのガチャで陥りがちな落とし穴について 解説していたいと思います。

一部の人にとっては耳にタコができそうなくらい聞き飽きた話だと思いますが、知らない人も多そうなので……。

この記事は2017年12月13日~2018年6月7日まで姉妹サイト「イクナガ ツールズ」内に特設されていたコラムページを加筆修正したものです。

当たり確率1%のガチャを100回引けば1回出る!のは本当か?

ガチャを回す上で、よく勘違いされがちなのが「出現率1%なら、100回やれば1回出るでしょ!」という考え方です。

1%を100回繰り返すのだから、1%×100回=100% だろう! という考え方だと思われますが、残念ながらこの計算は間違っています。

期待値的に言えば「1%×100回=1回」で正解ですが、この単純計算では「必ず出る」ことは保証できないのです。

例えば「サイコロを6回投げたらいつも決まって1~6の目が1回ずつ出るか?」と聞かれれば「出ないこともある」「むしろ確率通りに出るほうが稀だろう」ということは想像できるかと思います。

ガチャも同じで、結構偏っています。計算どおりにいかないことも多々あります。

ガチャで当たりが出るかどうかの確率を求めたいときは、「当たりの確率」ばかりに目が行きがちですが、「ハズレ(当たり以外)の確率」の方に着目します

例えば、当たり確率1%のガチャなら、100%(全体)-1%(当たり)=99%(ハズレ)という感じに。

ではここで問題です。このガチャを2回引いて、どちらもハズレになる確率は何%でしょう?

100%-(1%×2)=98%……ではありません。

99%(ハズレ)を2回繰り返したと考え、99%×99%=98.01% が正しい答えです。

ちなみに、当たる確率はというと、

★1回目も2回目も当たりの場合
1%×1%=0.01%

★1回目当たり、2回目ハズレの場合
1%×99%=0.99%

★1回目ハズレ、2回目当たりの場合
99%×1%=0.99%

図にまとめるとこんな感じですね。

2回ともハズレだった人の割合が98.01%
1回当てた人が0.99%0.99%1.98%
2回とも当てた人が0.01%

合計すると、ちゃんと100%になっていますね!

では、ここからが本題。

当たり確率1%のガチャを100回引いて、すべてハズレる確率は?

99%(ハズレ)を100回繰り返した、ということで99%を100回掛けます!

累乗を使って表すと、99%100 ですね。

早速計算してみましょう。

99%10036.603…%

!?!?!?

そうなんです! 実に約36.6%の人は、確率1%のガチャを100回引いても、1回も当たりが出ません……!

残りの約63.4%の人は、1回以上出ています。

この中には3回も4回も出ている人も含まれています

そんな幸運な人がいる一方で、3人に1人以上は1回も出ていないという不公平さ、理不尽さ……。

しかし、恐ろしいのはここからです!!

このガチャを200回、300回……と引いていったら、「1回も出ない」確率はどこまで減るでしょうか。

下記の表にまとめてみました。

回数 1回も出ない確率
100回 36.603…%
(約3人に1人レベル)
200回 13.398…%
(約7人に1人レベル)
300回 4.904…%
(約20人に1人レベル)
400回 1.795…%
(約56人に1人レベル)
500回 0.657…%
(約152人に1人レベル)

なんということでしょう! 500回引いても、0.65%の人は1回も当たりが出ていません……!!

0.65%といえば プレイヤー10万人規模のゲームなら650人くらいが当てはまります。決して少なくはない人数ですよね…?

もちろん、もっと回数を重ねれば「1回も出ない確率」は減っていきます。しかしその減るスピードは、どんどん遅くなっていきます。

回数 1回も出ない確率
600回 0.240…%
(約417人に1人レベル)
700回 0.088…%
(約1136人に1人レベル)
800回 0.032…%
(約3125人に1人レベル)
900回 0.011…%
(約9091人に1人レベル)
1000回 0.0043…%
(約23256人に1人レベル)

何千回と繰り返せば0%に限りなく近付きますが、決して “0%” になることはありません。

回数 1回も出ない確率
2000回 0.0000002…%
(約5億人に1人レベル)
3000回 0.000000000008…%
(約12.5兆人に1人レベル)
4000回 0.0000000000000003…%
(約33.3京人に1人レベル)

たとえ計算結果が0%だとしても、計算機が計算できないレベルで「1回も出ない」可能性は残っています。

「当たりの確率が○%だから、○○回引けば “確実に” 出る!!」ということは無いのです。

ちなみに、「ガチャ確率計算機」の確率表記は四捨五入しているため、99.9995%以上なら100.000%と表示されます。

「やめたいけど、やめられない」ガチャの魔力

ガチャを何回引いても目当てのものが出なかった場合、あなたならどうしますか?

  • 「次こそは!」と、引き続ける
  • 「もういいや」と、諦める

★引き続ける方に質問です。

確かに、あと1回引けば目当てのものがポロッと出てくるかもしれませんね! しかし、何度引いても出ないこともありますよ…? それでも続けますか? 後悔しない自信は、ありますか

★諦める方に質問です。

なるほど、諦めも肝心ですよね! でも 今まであなたがガチャに費やしたお金……ちょっと勿体無くないですか? このままだと全部ドブに捨てるようなものです。取り返さなくていいんですか

……意地悪な言い方してごめんなさい(笑) 実はこれ、有名な心理現象なんです。

その名も「コンコルド効果」

コンコルド効果とは?

コンコルド効果とは、このまま続けたら損失が拡大することは明白なのに、今ここで止めてしまえば今まで投資したお金や時間、労力がすべて無駄になってしまう……と、やめるにやめられない状態に陥ってしまう現象のこと。

超音速旅客機コンコルドの商業的失敗がその名の由来です。採算割れは確実と分かっていながらも「開発費を回収しなければ!」と投資を続けた結果、債務が数兆円まで膨れ上がり、最終的には倒産してしまいました。

この心理現象、ガチャやパチンコなどのギャンブル系はもちろん、日常生活にも潜んでいるシロモノです。

例えば…

人気店の行列待ち。始めのうちは「全然列が進まない、他の店に行こうかな」と思うけど、次第に「もう30分も並んじゃったし」と列を離れづらくなったり……。

カードや雑誌などのコレクション。ちょっと飽きちゃっていても、「せっかく集めたんだし」と惰性でつい買ってしまったり……

では、「後にも先にも引けない、どうしよう」という状況に陥ってしまった時、どうすればいいでしょうか?

正解は、いさぎよく諦める(やめる)ことです。

仮に5万溶かして目当てのものが出なくとも、そこで止めておけば5万の損失で済みます。そのまま続けてしまえば、損失はほぼ間違いなく増え続けます。損失が増えれば、もっとやめられなくなります。

「今度こそ出るかもしれない」「○万も払ったんだから」と息巻いているうちは、この悪魔のような呪縛から逃れることはできません。

残念なことに、ガチャはあなたがこれまでいくら払ったかどうかなんて知りません。

たくさんガチャを引けば「次こそ出るかも」と思ってしまいがちですが、それは気のせいです。排出確率自体は、一番最初に引いたときと同じですからね。(中には確率が徐々に上がっていくタイプのガチャもありますが…)

失ってしまったお金は戻りません。これ以上失いたくなければ、とても悔しいですが 諦めるしかないのです。

この先もっと後悔するくらいなら、この辺でちょっと後悔しておきましょう!

余談:Twitterのガチャ報告のチェックには注意せよ!

TwitterではFGOやデレステなどのガチャの結果画面を報告するプレイヤーをよく見かけます。

それらを人柱にガチャを回すか判断する人も多いと思いますが、そのときに注意したいのが結果が良かった時だけ報告する人が大勢いるという点です。

欲しいキャラや装備の名前でツイート検索して それを引き当てた人の喜びのツイートをたくさん見ていると「自分にも簡単に出せそう」と錯覚してしまいがちです。

良い結果ばかり出ているように見えますが、実際はそうでもありません。あれは、言わば幾多の屍の上に成り立っているシロモノです。

質問コーナー

この計算機を作ろうと思ったきっかけは?

ピグライフという農園ゲームで「作物を収穫していると20%くらいでドロップするレア素材をクエストに必要な数集めるには、一体何回収穫しなくてはいけないのか?」知っておきたかったからです。

当時から、1回以上出現する確率(1回も出ない確率)を調べる計算機はありましたが、自分が知りたかったのは「何回やればXX個以上集まりそうか?」という複数回出現させるために必要な試行回数だったので、wikipediaの二項分布の記事を参考に作りました。

もともと自分だけで使う予定でしたが、作ってみると意外と出来が良く、ちょうどソシャゲのガチャが社会問題になり始めていたのもあり「ガチャ確率計算機」という名前でリリースしました。

ガチャで爆死、したことある?

あります。

私はソシャゲは基本無課金勢ですが、どうしても欲しいキャラがいた時に2万円使っても来てくれず、諦めたことがあります。

その程度では爆死とは言わない、と思う方もいるかもしれませんが、私はそれ以上やる気にはなれませんでした。

ちなみにそのゲームは、この爆死事件の半年後くらいにサービス終了してしまいました。

今思えば、2万で済んでよかったと思います。

こんな記事書きやがって、ソシャゲを潰したいのか?!

ソシャゲを支えているのは「出るまで回せば100%」「3000円払えば無料で10連回せる」「これまで課金した額で車が買えるが、車は歌わないし踊らない」「臓器があるうちは無課金」のような名言を連発する石油王みたいな人たちです。

そういう人はそもそもこの記事を読もうともしませんし、万が一読んだとしても「うっせーな!それでも俺は回し続けるぞ!」と言って元気に爆死します。そういうものなんです。彼らのおかげでサービスが存続しているのです。